桜のトンネル

「桜のトンネル」

1991年6月作品

幼稚園から中学まで10年間通った坂道は、そんな名前がついていました。父たちが植えたというその苗木は、私の通る頃には立派な木になって、ずっと見守っていてくれました。
夏の青葉も(毛虫も!)秋の紅葉も(みのむしも!)冬の雪のトンネルもそれぞれ素敵で大好きでしたが、何と言っても桜の頃はそれはそれはきれいで、春の暖かい風がとても気持ち良かった日と、雪のように舞い散っていた花びらは、今でも浮かんできます。
もう長く桜の頃に田舎に帰ることもなく、私が通っていた頃の校舎はなくなり、桜の木もいくつか切り倒されたようですが、桜の美しい風景に出会うと重なって見えるのです。