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2017.1.22 | 店長おとぼけコラム

Uber(ウーバー)の功罪

ウーバーというのは聞いたことはあるけど詳しくは知りませんでした。今回ホーチミンでこのウーバーが一般的になっている現状に驚きました。ウーバーとは一般人が自家用車を使って他人を運ぶ仕組み、平たく言えば白タクです。これを配車アプリに構築した点が秀逸です。手順を説明しますと、まず、ウーバーのアプリで行きたい場所を入力します。そして、車種を選びます。車種にはバイク、小型車、プレミアム、SUVがあります。車種を選ぶと自分の近くに待機しているウーバーの車が地図上で確認できるのです。そして、その中の一台が選ばれ、来てくれます。ドライバーの名前と画像も送られて来て、その車が地図上で動いて近づいてきます。後何分で到着するとか、料金も概算表示されます。車が到着すると乗り込んで後は行き先を告げることもなく、目的地まで運んでくれて、支払いは登録したクレジットカードで払うもよし、現金で払うもよし。一切ベトナム語を話さなくても済むのです。そのあと、ドライバーの評価依頼と領収書が送られてきます。料金はタクシーより安いので、上手にウーバーとタクシーを使い分けています。このアプリ、どこの国の方が考えたのか知りませんが、本当に良く出来ています。こういうふうにして既成のシステムが変わっていくのだと感じました。ここまでが、ウーバーの「功」の部分です。

ここからは「罪」の部分です。自分の乗用車で空き時間に行う、小遣い稼ぎのイメージでした。でも、それは間違いでした。4ヶ月前訪越したときより、ホーチミンの街中に乗用車が一気に増えた印象を受けました。ベトナムでは自動車の関税は200%です。日本車は3倍の価格になります。一般の人ではとても自動車は買えません。金持ちしか買えないはずです。その手の届かないはずの自動車を買えるシステムが、銀行ローンです。ウーバーをはじめる人には銀行はお金を貸すのです。一番安い韓国製の小型車150万円。ベトナムの工員さんの給料が約3万円として50ヶ月分。どこの国でも銀行は下品です。見境なく貸し付けます。結果、自動車が爆発的に増えて、街中は大渋滞。以前から渋滞が慢性化していたのに致命的な状態になっています。今後、ベトナム政府はどのようにこの問題を解消していくのか。政府の規制次第ではウーバードライバーは借金だけ残る状態になりかねません。

これが、ホーチミンで見た、ウーバーの「功罪」です。日本ではタクシー業界の強い反発もありウーバーは規制されていますが、将来は分かりません。利用者にとってはとっても便利なアプリですから。(913)

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