2018.1.1 | 日傘の上手な使い方
傘について -傘の構造・名称-
傘の各部の名称です。傘屋の業界で使われている名称で、必ずしもそれが正しいともいえませんし、また、いろいろな言い方があるのもご承知ください。古臭い言い方も多いのです。
たとえば、傘が風にあおられて骨が上に向いてしまうことを傘業界では『おちょこ』と呼んでいます。
しかし、あるネットで、『カクテルグラス』と一般の方が呼んでいるのを知り、「やはり、傘業界は古いな・・・」と感じたくらいです。
カバー
縫った状態の傘生地のことです。二等辺三角形ではなく、微妙に膨らんでいます。このふくらみが傘のカーブを作るのです。
傘を作るうえでもっとも重要なところです。
中棒
傘の心棒。スチール、アルミ、木製、最近ではカーボンもあります。
ハジキ
中棒から出ているでっぱりで、上のほうに出ているのが上ハジキ(ウワハジキ)。傘を開いたとき落ちないようにとめておくものです。
よく指をつめる場所なので注意しましょう。
下ハジキは傘を閉じたとき自然と開かないようにするためのものです。
手元
一般の方は持ち手とよく言われますが、業界では手元またはハンドルと呼んでいます。
長い傘は中棒の径と手元の穴が合わなければつけられません。また、強力な接着剤で固定するため、簡単に取り替えられません。
折りたたみはネジ式が多く、その場合は取り替えることができます。
露先
傘の骨の先端部分。長傘の場合、露先はカバーに縫い付けられていますので、はずすことが出来ます。
しかし、折りたたみ傘の場合は大抵、骨の先端に穴が開いていて、カバーを直接縫い付けています。
ロクロ
骨が集まっている中心部分。親骨が集まっているところを上ロクロ(ウワロクロ)。受け骨が集まっているところを下ロクロといいます。
ロクロには針金で骨をとめてあり、針金が切れるとばらばらになります。
また、上ロクロには中棒に固定するため釘がはいっています。これが抜ける場合もあります。
ダボ
親骨と受け骨のジョイント部分。ここが一番力がかかるのでよく壊れます。骨が曲がるのも大抵この付近です。
親骨と受け骨はハトメという小さな部品で止めています。
また、ダボを覆うような布をダボ布といいます。これがあると錆が傘生地につかなかったり、磨耗を和らげる役目もあります。