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2018.4.30 | 岡ちゃんのぐだぐだコラム

冬は南国(4)

旅行の幹事が用意してくれていたコンドミニアムは写真の通り、すばらしいロケーションで道を渡れば大きなスーパーもあるし色々サイトをチェックし厳選してくれただけあって申し分なかった。そしてそこから回された町はずれのいかにも寂れたコンドミニアムはレセプションからして工事現場の小屋みたいなところである。狭い窓口カウンターには大人二人がやっと入れるくらいで、不機嫌そうなオバさんが、手際も悪く処理し、古ぼけた部屋のキーを二つ渡してくれた。部屋は、いくつかある二階建てのコンドミニアムの一番左端の海側である。かなりくたびれた階段をあがり、鍵を開けようとするが、うまく開かない。船に乗って海外を結構渡り歩いたメンバーが、こうちゃうか、と言い、一つ目の鍵を回した後、二つ目の鍵を別の穴に入れて回すと、ちゃんと開いた。部屋は現代の水準からすると明らかに狭いしエアコンもない。ソファーベッドを引き出すと、何かお菓子の食べかすみたいなものやゴミが出てきた。出来た当時は十分豪華だったかもしれないな、と思えるところもあるが、いかんせん古すぎる。で、エアコンがないのにどうするかというと、窓が二重窓のようになっていて、その間にルーバーが仕込んである。窓の横のハンドルをくるくると回すと、二重網戸の中でルーバーが開き、自然の風が入ってくる仕組みになっている。「おお~なるほど」と感心するような作りで、これはこれでノスタルジックであるが、これも後に災いの元となる。なんせ、町はずれであるから、良く言えば町の喧騒からはなれ、波の音だけを聞きながら、しゃあないから寝るかということになり、シケくさいベッドですぐに眠ってしまった。そして、まだ夜明け前とは到底言えないような真っ暗ななか、「コケコッコーー、コケコッコーー・・・」のけたたましい鳴き声。あそらく一階の庭くらいにいるのだろうが、眠たいわ、邪魔くさいわ、で降りてもいけず、かといって泣き止まずで、夜明けまで眠たいわ、腹立つわ、の中で意識朦朧としていた。ロビーのソファベッドで寝ていたメンバーは「鶏小屋のなかで寝ているみたいやった」と言うくらいの状況。やっと夜が明けて、ベランダから見渡すと、少し離れた庭にニワトリが一羽いた。もちろん悪いことをしたという素振りもなく我々には一瞥もくれず平然としている。「くっそ~、絶対アイツやな、何とかならんかな~」「フリフリチキンにして食うてまうぞ」といくら悔しがってもどうしようもない。このニワトリの島は噂以上に手強い島やった。みなさんも行くときは気いつけなあきまへんで、ほんま。

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