戻る

戻る

2018.8.31 | 岡ちゃんのぐだぐだコラム

オタクの気持

三宮から神戸空港に行くのには、いわゆる神戸新交通というので行く事が多い。ご案内の通りこの電車は運転士がいないため、最前列は電車好きや子供に人気の席である。俺は争って乗るほどの興味はないが、たまたま、今回、ホームで先頭車両の二番目に並ぶことになったので、そうか、たまには一番前の席に乗ってみようかな、という気になっていた。しばらくすると俺の後ろに小さな子供連れのお母さんが並んだ。子供は「一番前にすわれるかなあ」などと言いながら期待している様子だが、お母さんは「順番やからね」とちゃんと躾けているところがすばらしい。この電車というか乗り物の最前列は左に1席、右に二席の配列となっていて、二番目に乗り込んだ俺は、子供連れの親に前の席を譲り、その後ろに座った。俺の前で一番に並んでいたおばさんは、左の最前列に座っているものと思っていたが、気が付くとサラリーマン風の男性が座っていて、おばさんはその後ろの席に座っていた。はっきり見てないので何とも言えないが、その男性は乗り込むと同時に先に最前列に座ったんやと思う。大人げないやつやな、と思いながら観察していると、ひざの上においている黒い鞄からおもちゃの怪獣の頭らしきものが覗いている。よく見るとその怪獣は頭の形からミニラ(ゴジラの息子です)に違いないと確信した。発車してしばらくすると、このオタク風の男性は、鞄からミニラを取り出し自分の席の前にある平らな場所にこのミニラを置き、写真を撮りかけた。最前列から見える風景をバックにミニラのポーズを替えながら何枚も写真を撮っている。そしてそんな光景を俺は後ろから写真に撮ってやろうかと思い、タブレットのカメラを起動したが、そうなると俺も変なおじさんになってしまうと思い、気を取り直して、普通に座席から車窓の景色を撮った。この俺の写真の左にはミニラを席の前において写真を撮っているオタクの兄ちゃんがいると想像して見てください。

 

オタクの気持ち

最新記事